矛盾的自己同一

はずれたところからの雑感

2023-01-01から1年間の記事一覧

「自己との対峙」

気づいたら、2023年も終わりに近づいていた。別に一年が終わるからといってそれで自分の何かが変わってしまうということなどあるはずもなく、ただ一年が終わるという、ただそれだけのことなのだが、一年の終わりは一つの節目で、考え、文章を書き、誰かと会…

三木清の「構想力」について、ちょっとだけ思いついたこと

三木清の「構想力の論理」が岩波文庫で出ていたので少しだけ読んだ。なぜかというと、この数ヶ月ほど、自分より20ほど若い人たちと交流する機会があって、それで三木清がよく読まれているというので、読んでみた。三木清はたぶん「哲学入門」や「人生論ノ…

「文章を書くこと」について

一ヶ月ほど前、この文章を目にした。 最近文章が書けなくなった - phaの日記 phaの文章は、ブログなどで前にときどき読んでいた。気づいたら売れっ子になっていて、著作も出ていて、すごいなあとか思っていた。で、これを読んでみて、「なるほど」と思った。…

西田がバシュラールを読んでいた

西田幾多郎全集の「書簡」の部分を読んでいたら、1938年1月頃、西田がバシュラールに関心を持っていることが書かれている。下村寅太郎に書いた手紙などに書かれている。ただ、「考え方は同意でき参考になるがあまり頭のよい人ではないようです」と手厳しいコ…

翻訳を終えて

チャクラバルティの翻訳を終えた。訳者後書きでも書きましたが、チャクラバルティの論文からは多くを学ばせてもらったし、そもそも、気候とかnon-humanといったこととの関連で人間の条件を考え直すというアイデア自体がチャクラバルティのものなので、自分自…

チャクラバルティの翻訳のために書いた「訳者あとがき」の一部

また、habitabilityの訳語をどうするかいつも悩んでいたのだが、2023年10月6日に東京大学大学院人文社会系研究科で開催された研究会「サステイナビリティと人文知」で私が報告したときいただいたいくつかのコメントがきっかけになって、「生存可能性」という…

ドイツで考えていた

ベルリンはいいですよ。僕が今度話すスペース「diffrakt」の人とさっきまで話していましたが、パレスチナ・イスラエルをめぐる論争や気候危機をめぐる論争が百花繚乱だそうで、でもまあ、インディペンデントな文化スペースも普通に多い。 これは、ベルリン滞…