矛盾的自己同一

はずれたところからの雑感

西田がバシュラールを読んでいた

西田幾多郎全集の「書簡」の部分を読んでいたら、1938年1月頃、西田がバシュラールに関心を持っていることが書かれている。下村寅太郎に書いた手紙などに書かれている。ただ、「考え方は同意でき参考になるがあまり頭のよい人ではないようです」と手厳しいコメントが付されている。その頃の西田は世界の「空間性」「自然性」といったことに関心があったみたいで、その関心を進めていったらのちにバシュラールの「空間の詩学」みたいなことを書くことになったかもしれないが、個人的には、西田がベンヤミンの都市論を知ったらどう思ったか聞いてみたい。じつは同時代人なのである。